The Rolling Stones - sympathy for the devil
悪魔に共感する
sympathy for the devil
ザ・ローリング・ストーンズ
1.
失礼して、自己紹介をさせていただきたい。
私は、富と嗜みの男。
私は長い長い年月、ずっとこの世界にいた。
沢山の人間達の、魂と分別を盗んできたんだ。
ジーザス・クライストのその時、私はそこにいた。
疑いと痛みの、その瞬間に。
私がピラトの背中を押してやったから、
彼はその両手を洗い、運命を定めた。
君に会えて嬉しい。私の名前をあてて欲しい。
けれど君を戸惑わせるのは、私の遊びの性質なのだ。
2.
私はサンクトペテルブルクにつきまとった。
私には見えていた、変革の時だったのだ。
ツァーリを殺し、その臣下を殺した。
アナスタシアはむなしく泣き叫んだ。
私は戦車に乗り、将軍の座を占めた。
電撃戦は狂暴化し、死体は腐臭を放った。
君に会えてうれしいよ、さて私は誰でしょうか。
けれど戸惑うのは当然だ。それが私のゲームなんだから。
3.
私は喜びとともに見つめていた。あなたがたの王たち、女王たちが
百年のあいだ争い続けるのを。自分たちで作った神を巡って。
私は叫んだ、「誰がケネディを殺したのか?」
けれど終わってみれば、それはあなたであり私なのだ。
どうか自己紹介させていただきたい、
私は富と嗜みの男。
そして私は吟遊詩人達に罠を仕掛ける。
彼らは殺され、ボンベイに辿り着くことはできない
あなたに会えてうれしい。私の名前を当ててみてくれ。
戸惑うのは無理もない、それが私のゲームの本質なんだから。
じゃあ、やってみようか。
君に会えてうれしいよ、さあ私の名前は?
けれど君を混乱させるのは、私のゲームそのものなんだ。
4.
警官がみな犯罪者であるように、
全ての罪人は聖人なり。
頭が尻尾であるように、私のことはルシファーと呼んでくれ。
なぜなら、私には少し節度が足りない。
だからもし君が私に出会ったなら、多少の厚意を、
多少の共感を、そして多少の嗜みを、持って欲しい。
お前がきちんと学んだ礼節は、全て使え。
そうしないと俺は、お前の魂を、からっぽにしてしまうから。
お前に会えてうれしいよ、俺の名前を言ってみてほしい。
わけがわからないってそうさ、最初からそれが、俺の策略だったんだから。
始めようか。
作:ミック・ジャガー
初出:1968年『ベガーズ・バンケット』オープニング曲
邦題:「悪魔を憐れむ歌」
眩惑的なサウンド。切り刻むようなギターソロ。
キリストの受難、ロシア革命、ナチス・ドイツ、百年戦争、ケネディ暗殺。
ドラマチックに高揚してゆく華麗な詞の世界。悪魔は次第にその正体を現す。
言葉が迸り出る、そのグルーヴ感が素晴らしい傑作です。
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